★『Capricious』★ 2025年(令和 7年)   4月号 5月号

 

    ●「国際政治 84」

 

  「トランプ関税」で、世界が「右往左往」( run around in confusion ) している訳だ

  が、正確な分析で冷静に対応すべきだろう。アメリカの民主党は、本来、労働者の支持

  組織を母体としてきた。逆に共和党は市場主義の金持ちが支持母体であった。大統領選

  挙でも、名だたる資産家(資本家)が、トランプに選挙資金を提供してきた事で理解で

  きるだろう。労働者というのは、つまりは中間層(社会的な多数派)である。

  この中間層の崩壊が、トランプを大統領にし、「トランプ関税」になった理由である。

  製造業の中心地「ラストベルト」(さびた工業地帯)の崩壊イコール中間層の労働者の

  生活困窮である。アメリカの製造業の崩壊であった。トランプの言っている事は、その

  是非はともかく単純である。「関税が嫌ならアメリカで製造しろ」。早速、自動車産業を

  代表にアメリカでの製造に工場移転の動きが急ピッチである。

  しかしながらトランプは「中国以外の国には関税は10%」と、トーンダウン。当然だ

  ろう。関税はアメリカの物価に多大な悪影響を与え、消費が低迷し経済は疲弊する。

  アメリカという国は、市場開放と自由貿易(海洋交易)で発展した国である。今でも

  国内消費支出はEUの3倍である。巨大な市場である。当然、国内の製造業も海外の製

  造業(特に中国)もアメリカで商売してきた。しかし労働賃金が高いアメリカは、多く

  の製造業を海外工場に下請けとして”外注”してきた。

  しかしながらである、自動車産業のような「重工長大」(製鉄業、造船業)な産業以外

  の企業がアメリカ国内で製造業を出来る訳がない(コストが高すぎる)。

  

  グローバリゼーションとインターネットが世界を変えた。つまりは製造業の海外移転で

  ある。製造業では赤字であるアメリカも「GAFA」(米国のIT企業)では巨大黒字であ

  る。トランプ政権の幹部は、この事を理解していない。そして「人種差別」である。

  外国人を排斥すれば、自国民の就労が増えると単純である。同時に「アメリカの科学技

  術を守るために、留学生を排斥する」という恐るべき無知な政権である。

  第2次大戦前は、英国が産業革命の技術力で世界をリードしてきた。アインシュタイン

  博士に代表されるように、戦後は世界の英知がアメリカに移住し、アメリカを世界の盟

  主国にしたのである。

  一つの提案なのだが、世界の優秀な研究者を日本の大学で迎え入れ研究させれば、日本

  の復興がある。友人のアメリカの大学教授が、私に提案してきた。トランプはアメリカ

  の大学の研究も破壊しているというのだ。優れた研究こそが世界をリードする。

  「アメリカ国債の投げ売り」で、トランプも真っ青になり「関税撤廃」になった。

  

 

  ●「論文8」(海外の大手通信社、新聞、学術誌、雑誌等に発表した私の小論文

     原 題:L'essence de la rationalite est la preservation

          des  especes.

  英語版:The essence of rationality is the preservation of

           species.

  論文の主題:「新 理性と存在」の続編を執筆中だが5年以内で完成させたい。

  (いまだに未完成の論文。今回は、理性の発生論)。

 

  

 

  ★「Memoir」 

 

      若かりし頃、趣味で作曲をしていた。同じく同世代の女性と「作曲仲間」としてお付き

  合いをしていた。

  その女性は「大ヒット曲」を発表し自ら歌った。曲名をいえば、私と同世代

  の人には、誰でも知っている曲であり、いまでも「カラオケ」で歌われている。

  しかしながら彼女はヒット曲が、それしかなかった。焦った彼女は、何とか2曲目を発

  表しようと相談に来たが、私はクラシック系の作曲が好きで、ポップス系にはあまり興

  味がなかった。ある時、2曲目が出来たので聴いて欲しいと、私の自宅にやってきた。

  ピアノの前に座った彼女が弾いた曲に、私は思わず「百万本のバラ」(ラトビアの子守

  歌がロシアで大ヒット)に似ているね、と言ったのだが、それ以降、彼女とは気まずい

  関係になった。2曲目も彼女の作曲で歌ったのだが、まったくヒットしなかった。

  ポップス系の曲は、それなりにクラシック曲にヒントを得たり、他の国のヒット曲をア

  レンジしたようになることも有る。

 

   

   ★『クラシック音楽考』★

 

         久し振りにフランスのポップスで懐メロを聴いた。「Belle Notre Dam de Paris」

   なのだが ヴィクトル・ユーゴーの小説のミュージカルの中から Belleという曲。

   お勧めは三人の男性歌手(ガルー、ダニエル・ㇻヴォア、パトリック・フィオーリ)

   フランスでは大ヒットで、コンサートも満員。私がフランスに住んでいて、大人社会

   と思う理由でもあるのだが、、、。フランスに帰るとホッとする。合理的で冷たい印象

   のフランス(パリ)かも知れないが、住んでみると”干渉されない自由”というか。

   

 

   疲れて帰宅して、マーラーの5番やシベリウスの2番を聴くのだから、まだ元気なの

   かもしれない。(笑い)

   気に入りのソファーに座り「誰とも口を利きたくない」気分で、音量を高めにして聴

   く。

   最近は、ショパンの「名曲24選」を流しっぱなしにして、仕事の事を考えている。

   私は性格的に引退はないと思っている。死んだ時が引退なのだと思っている。

   私の周辺には引退して気ままに生きている人を何人も知っているが、私は身体と頭脳

   が動いている限り、働く運命のようだ。しかしながら頭脳は、働きに切れがない(笑

   い)。

   

        癒しの曲には、何曲か好きな曲があるが、フリードリッヒ・ヘンデル(1685~1759)

   の「パッサカリア」(Passacaglia)は最高だと思う。音大卒の友人なら全員が知ってい

  る曲なので、有名な名曲(原曲はバッハ)。ただ、この曲を弾くピアニストというと強

  いこだわりがあり、Alexander Motovilov が私の好みだ。このピアニストのテンポで

  ないと満足できない。